もはや完璧ではいられない
完璧ではいられないなんて、そんなことはずっと分かっていた。
けれど自分のボーダーラインがあった。ここを超えたら自分は完璧だと感じる境界があった。
もはやそれすら越えることは能わない。
それを今日の数学の授業で感じた。
しかし不思議なことにそれは救済になるかもしれない。
完璧感覚で自分の精神を安定化させてずっと生きてきた。そう思っていたがそうではない。完璧感覚は麻薬に違いない。一時的な全能感に浸り時期を過ぎれば新たな全能感に浸るための実績を探す。
その実績作りの過程は数を重ねるたび確実に険しくなる。そしてずっとその麻薬作りに縛られていた。
今日は何時間勉強した。これから何時間勉強しなきゃ。昨日はここまでしか進まなかったから今日はここくらいまでは、、、
心はすり減るが、たまに幸福を得る。そしてすり減った以上に心は満たされる。
小学生の頃なんかは勉強なんかせずとも優越感を感じていた。圧倒的にリターンの多い仕組みだった。
しかし最早努力と成果の間に差異はなくなりつつある。寧ろマイナス。心は消耗されて、この心の経済体制は破綻する。
その日が今日だったのかもしれない。
もう殆ど麻薬を生産できないだろう。だけどもう二度と薬の副作用に悩まない。嗚呼、どうか穏やかな日々が続きますように。今日はもう寝よう。